創業融資

自己資金200万円でも無担保で創業融資1,000万円を借りた全手順

起業を志した多くの人が、最初に直面する課題は資金調達の方法でしょう。新規で事業を展開する際には、民間の金融機関に頼ることが難しいのも事実です。しかし、諦めることはありません。まだ実績のない会社であっても、公的金融機関であれば融資を受けられる可能性があります。ここでは、新規事業を志す起業家を手厚くサポートしてくれる日本政策金融公庫の「新創業融資制度」について説明していきます。

「新創業融資制度」がお勧めできる理由と申込前の確認事項

日本政策金融公庫は、新たな産業の誕生を願い、育てるべく「新創業融資制度」により、広く起業家の資金調達をサポートしています。新規事業を始めようとする起業家の多くが直面する資金調達の不安に応えるべく、制定された制度なのです。そのため、銀行に代表される民間金融機関のような厳しい条件はなく、無担保・無保証人であっても利用できる創業融資制度となっています。もちろん、利用するための要件はあります。まず「創業の要件」として「新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を2期終えていない方」とされています。その他の要件として「勤務経験」または「修得技能」などがありますが、こちらは既に職務経験(同じ企業、業種で6年以上の勤務)を満たしている方であれば問題ありません。最も気がかりとされるものは「自己資金の要件」でしょう。これについては、創業資金総額の10分の1以上を自己資金として持っていれば要件を満たすことができます。資金面での不安がある方であっても、民間の金融機関と比べて負担が少ないこと、他の要件を満たしていれば「自己資金要件」もクリアできるということからも、申込時の敷居の低さは確認できるかと思います。融資限度額は3,000万円(その内運転資金は1,500万円)とされています。自身が行う事業の内容と資金を確認した上で、運転資金として妥当であるかどうかの判断も事前にしておくと良いでしょう。

自己資金200万円でも無担保で融資を受けた手順

自己資金に不安のある人であっても利用できるのが「新創業融資制度」(2014年3月1日「創新創業融資制度の改正」により制定)の大きな魅力であると言えます。例えば、自己資金が200万円であったとしても、1,000万円の創業融資を受けることも可能なのです(創業資金の1/10以上の自己資金を満たしていれば問題ありません)。申込の手順も至ってシンプルなものです。先ずは、日本政策金融公庫の管轄支店窓口に、必要書類を取りにいきましょう。書類はサイトからもダウンロードできますが、面談に備えて一度は支店まで足を運ぶことをお勧めします。面談に備えて雰囲気に慣れておくことも大事です。事前に不安な点や記入で分からないところがあれば確認しておくのも良いでしょう。次に、借入の申込です。窓口に一度出向いているのであれば、必要書類の提出は郵送でも構いません。提出する書類の数が多いので、事前の確認は十分に行うようにしてください。主な提出書類としては、「借入申込書」や「創業計画書」の他に「通帳」のコピーも必要になりますので、審査で見せても大丈夫なものであるのかしっかりと確認しておきましょう。生活衛生関係の事業や500万円を超える融資を受ける人は、知事の推薦書も用意しましょう。その後、2日から3日後に日本政策金融公庫から「面談日の通知」が行われます。基本的には郵送で通知されますが、電話ということもあります。どちらでも対応できるようにしてください。面談時間は30分、長くても1時間程度で終了します。創業計画書に書いた内容について細かく確認されますので、的確な返答ができるように準備しましょう。当然のことですが、服装や言葉遣いといった、社会人としての最低限のマナーには気を付けるようにしましょう。面談終了後も気は抜けません。「実地調査」として、事務所や店舗の確認が行われます。場合によっては、追加資料の提出が求められることもあります。面談から1、2週間ほどで融資の可否が通知されます。希望していた金額を借りられない場合であっても、減額して融資が受けられることもあります。結果が問題なければ、あとは融資の実行となります。「新創業融資制度」の場合は無担保、無保証人であるため、手続きもスムーズに完了できることが分かるでしょう。融資の申込からここまで、だいたい1カ月以内と見ておいてください。必要書類は先に上げたもの以外にも多く、また、手続き開始時には分からないこと、不安なことも出て来るかと思います。その際には日本政策金融公庫の窓口を直接訪ねて相談してみましょう。融資までの流れについても、個別の状況と合わせて詳しく説明してもらえます。

「新創業融資制度」の利用で起業の夢を実現しよう

民間金融機関の審査の難しさから、起業の夢を実現できなかった人たちであっても「新創業融資制度」の誕生により、思い描いていた事業を形にするチャンスを得ました。無担保、無保証人で自己資金200万円という難しい状況から融資を受けた手順について説明しましたが、まだ不安はあるでしょう。しかし、日本政策金融公庫は新たな産業の誕生に積極的姿勢を示しています。起業の志を持つ方は、迷わず融資の相談をしてみてください。

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

TOP