日本政策金融公庫など金融機関の融資を利用しようとしたら、返済期間に<うち据置期間◯年以内>と記載されていて「何のこと?」と疑問に思ったことはありませんか?
このページでは据置期間の基礎的なことから、注意しなければならないことまでご案内しますね。
読み終えていただければ、あなたが据置期間を設けることができるのか?、据置期間を設けるためにはどうしたらいいのか?がわかります。
1.据置期間とは?
据置期間(すえおききかん)とは、利息のみの支払期間のことです。
通常、融資を受けた場合には、指定の返済日に元本+利息を支払います。
しかし、すぐ利益を上げるのが難しい創業時には利息のみの支払期間を設けることができるのです。
余談ですが、漢字が似ているせいか措置期間(そちきかん)と間違われている方がいらっしゃいますが、別物ですのでご注意くださいね。
2.返済期間に含まれる?据置期間を設ける場合の2つの注意点
据置期間を設ける場合の2つの注意点は、
です。
それぞれ詳しくご案内しますね。
【注意点①】据置期間は返済期間に含まれる
据置期間を設ける場合の注意点の1つ目は、据置期間は返済期間に含まれるということです。
どういうことかと言いますと、据置期間を長くした場合、月々の返済額が大きくなってしまうのです。
例えば、返済期間を5年(60ヶ月)で540万円の融資を受けたとして、据置期間がなしの場合と6ヶ月の場合を比べてみますね。
据置期間が6ヶ月の場合、6ヶ月は利息のみの支払だったので、残りの54ヶ月で5,400,000円を返済しなければいけません。
据置期間がなしの場合に比べて、月々の支払金額に1万円の差が生じます。
【注意点②】利息の支払総額が高くなる
据置期間を設ける場合の注意点の2つ目は、利息の支払総額が変わってくるということです。
例えば、年利2%の場合で比べてみますと、据置期間がなしの場合は約270,000円ですが、据置期間6ヶ月の場合は約300,000円で、約30,000円の差が生じてしまいます。
月々の支払金額と利息の支払総額の差額については、融資金額を増加させたり、据置期間を長くしたりすることで更に差が広がります。
据置期間を設ける場合には、月々の支払金額と利息総額の差額を考慮してくださいね。
3.【具体的な根拠が必要!】据置期間を設けるには?
据置期間を設けるには、日本政策金融公庫の場合は、借入申込書の「元金据置」の欄で選択します。
ただし、据置期間を設けられるかどうかは日本政策金融公庫によって判断されます。
そのため「据置期間を設ける必要がある」と具体的な根拠が必要なのです。
「いつ利益が上がるかわからないから」「とりあえず最長の2年を設定しておけば、余裕をもって経営できるな」
このような考え方の経営者はいないでしょうが、そんな理由はもちろん通用しません。
例えば、「事業開始後3ヶ月間は集客段階のため利益が出づらい計画なので、据置期間を3ヶ月設けたい」というような日本政策金融公庫の担当者を納得させる根拠を用意してくださいね。
JNEXTの創業融資担当より一言
当事務所の実績より、融資を受けてから事業がスタートするまでの準備期間であれば、据置期間として認められやすいです。
例えば、融資を受けてから事業をスタートさせるために、店舗の外装や内装の工事を発注したり、設備を買い揃えたりで数ヶ月かかることがあります。
この準備期間には利益が発生しないので、据置期間として認めてもらいやすいのです。
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