日本政策金融公庫は創業融資などで優遇金利をおこなっており、様座な企業が融資を受けています。金利が低いからと言ってその割合はいつも同じではありません。時期によっては1%近く下がることがあります。その金利が下がるタイミングとはどんなときなのでしょうか。今回は金利が低くなる時期について説明をおこないます。
景気が悪い時期は金利が低くなる
日本政策金融公庫の金利が下がるタイミングは様々あり、その1つが「景気が悪いとき」です。日本政策金融公庫が運用している創業融資などで使用されるお金は、中央銀行から得たお金を主に使用しています。そうしたお金には「政策金利」という金利がつけられており、日本政策金融公庫が企業に融資するときは、その金利にさらに上乗せをして貸し付けをおこなっています。
政策金利には下がりやすい時期というのがあり、それが景気の悪いときです。景気が悪いと、政府は積極的に資金を企業に提供して、経済状況を早く回復させようとします。そのときに企業が積極的にお金を借りられる状況を作るために政策金利を引き下げるのです。そのため景気が悪い状態のときは、創業融資を積極的に利用したほうが良いかもしれません。
逆に景気が良い場合は、その状態を長く持たせることとバブルを作らせない目的で、政策金利を引き上げることがあるので注意してください。
株価が上昇しているとき
創業融資などの金利は「金利が上昇しているときは株価は下落し、金利が下落すると株価は上昇する」という原則があり、株価上昇トレンドにあるときは融資の狙い目となります。これは両方共「資金調達をする手段」という事情によるものです。企業が株式を発行する目的は資金調達にあり、投資家たちに株式を買い取ってもらい、そのお金で事業の運営などをおこないます。日本政策金融公庫の創業融資も同じであり、お金を貸すことで事業の運営をサポートしています。
株価が上昇するということは、株式に需要があり企業が株式でお金を得やすいという状況です。その状態が続くと株式の発行は積極的に行われ、逆に創業融資受ける人が減っていきます。日本政策金融公庫は財務省の管轄で特別会社という形態をとっていますが、企業であることに変わりないので、利益をあげていかなければいけません。その結果として、金利を下げて多くの企業が融資を受けやすい状況を作るのです。
逆に株価が下がってしまった場合は、積極的に株式を発行しようとする動きが少なくなり、創業融資の需要が高まることになるので、金利が高くなっていきます。日経平均株価やTOPIXなどを調べて株価が上昇局面にあることに気づきましたら融資を受けるようにしましょう。
物価が下がっているとき
日本政策金融公庫から創業融資を安い金利で受けたい場合は、物価指数が下落しているタイミングでおこなうのがオススメです。物価が下がるということはお金の価値が上がるということです。政府は下がってしまった物価をもとに戻すために、市場に多くのお金を流通させて物価をもとに戻そうとします。お金を大量に流通させるためには企業が積極的に融資を受ける状態をつくる必要があり、それによって金利が下がるようになります。物価指数は統計局のホームページなどで見ることができるので参考にしてみてください。
逆に何もしていないにもかかわらず、物価が上昇しているときは金利が上がりやすいので融資を受けるのは避けたほうが良いかもしれません。こうした状況にある場合は、お金の流通量を減らすことが優先されるようになり、結果として金利が上昇していくからです。金利を引き上げて経済を締め付ける金融政策は「金融引締め政策」と呼ばれており、この言葉が新聞やニュースなどででてきたら注意が必要です。
創業して間もないとき
企業をつくり事業をはじめた場合や今おこなっている事業をより大きくしたい場合は資金が必要となります。ところが創業して間も無い企業や規模の大きくない企業は資金があまり無いことから、融資の金利が事業の成長の足を引っ張ってしまいかねません。
こうした状況に対して日本政策金融公庫は「創業支援貸付利息特例制度」という制度を用意して企業のサポートをおこなっています。創業支援貸付利息特例制度を利用する場合は、これから事業を始めることや税務申告が2期未満などの条件をクリアする必要がありますが、それを満たすと特定の融資の返済金利が0.2%ほど下がります。さらに、創業者が35歳未満であることや、地方で創業するなどの条件もクリアすることができれば東日本大震災復興特別貸付や新規開業資金などの返済金利が0.3%まで下げられるのが特徴です。
需要がないタイミングを見極める
日本政策金融公庫がおこなっている創業融資などの金利が下がる条件は株価が上昇しているときや景気が悪いときなど様々です。ですがその根底には「需要があるときには金利が上がり」「逆に需要がないときは金利が下がる」という原則が潜んでいます。そのため融資を受ける際は今の経済状況をみて、融資に需要があるかどうかを見極めてからおこなうことが大切となります。
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