「日本政策金融公庫で創業融資を受けようと思うけど、何年以内に返済しなきゃいけないの?」
「返済期間って自分で決められるの?」
「自分で決めていいって言われてもどうやって決めればいいの?」
こんなお悩みを抱える人に向けて『日本政策金融公庫の創業融資の返済期間の決め方』について説明します。
日本政策金融公庫の借入目的は?
日本政策金融公庫の返済期間は資金の使いみちによって異なりますので、借入目的を明確にしましょう。
設備資金
店舗の外装・内装代、椅子などの家具類の費用、備品代金などが設備資金に含まれます。また、車両代金や、家賃のうちの保証金も設備資金です。注目すべきは、家賃関連で設備資金に含まれるのは保証金だけであるということです。設備資金はその性質上、初期費用としてかかってくるものが多くなります。
運転資金
家賃や人件費、仕入れ代金、宣伝費などが運転資金に含まれます。運転資金とは、事業を運営していくために必要な設備資金以外の資金のことを指します。
日本政策金融公庫の返済期間は?
普通融資の場合、日本政策金融公庫の返済期間は、資金の使いみちが設備資金の場合には20年以内(据置期間2年以内)、運転資金の場合には7年以内(据置期間2年以内)になります。
ただし、新創業融資制度を利用した場合の返済期間は、設備資金の場合には7年以内(据置期間6ヶ月以内)、運転資金の場合には5年以内(据置期間6ヶ月以内)になります。
据置期間につきましては、次項にて説明します。
創業時の負担を減らせる!?「据置期間」
通常、融資を受けた場合には、指定の返済日に元本+利息が引き落としされていくわけですが、すぐ利益を上げるのは難しい創業時には利息のみの支払とする期間を設けることができる可能性があります。この期間を据置期間といいます。
日本政策金融公庫の創業融資の返済期間における据置期間は設備資金、運転資金の両方とも6ヶ月以内となっております。この6ヶ月を上限として据置期間を設けることができます。
据置期間は途中で設定し直すことはできませんので、何ヶ月にするかは事前に相談しましょう。
注意!据置期間は返済期間に含まれます!
例えば、600万円の融資を受けて、返済期間が5年(60ヶ月)だとすると…
※据置期間を長く設定すればするほど、図のように据置期間後の返済額が大きくなりますので注意しましょう。
返済期間の決め方
日本政策金融公庫のホームページでは、おおよその返済金額をシミュレーションできます。
事業計画を立てるために利用してみましょう。
お借入希望金額
借入希望金額を百万円単位で入力します。
ご返済方法
元利均等返済または元金均等返済、該当の方法を選択します。
元利均等返済とは
毎月の返済金額が一定となる返済方法です。
【例】1ヶ月目:50,000円(利息含む)、2ヶ月目:50,000円(利息含む)…
元金均等返済とは
毎月の返済金額の元本が一定となる返済方法です。
【例】1ヶ月目:50,000円(元本)+利息、2ヶ月目:50,000円(元本)+利息…
1年間の返済回数
1年間の返済回数を選択しましょう。
返済期間
返済期間を選択しましょう。
元金据置期間
元金据置期間を選択しましょう。
金利
該当融資のページにて利率を確認しましょう。
できるかぎり毎月の返済額を少なく抑えたいのであれば、運転資金と設備資金のうち、返済期間の上限が7年である設備資金の方に多くを振り分けて期間を7年に設定し、月々の負担を抑えるという工夫ができます。しかし、あまりに多くを設備資金に振り分け過ぎて、運転資金が足りなくなるということのないように、気を配ることは大切です。運転資金は、月の売上予定の3ヶ月分は用意しておくようにした方が良いとされています。
また、返済期間が長くなればなるほど、利息分は多くなるということも忘れずに計算に入れて、計画を立てましょう。いくら日本政策金融公庫の利率が低いとは言え、返済が長くなるにつれて利息の負担感が増していくこともあります。
事業計画はしっかりと!
日本政策金融公庫の創業融資制度は、民間金融機関からは融資を断わられがちな人であっても借りやすく、利率も低いため、創業時には助かる制度です。きちんとシミュレーションを確認して、月々いくらぐらいの返済になるのか、利息はどれくらいつくのか、据置期間は利用すべきか、しっかりとした事業計画を作成しましょう。
事業計画書がしっかり作成できているのか不安があれば、専門家のサポートを受けるのも手です。こちらの「【創業融資ホットライン】税理士による創業融資支援サービス」をご覧になってみてください。
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自分で融資を受ける場合でしたら、こちらの「日本政策金融公庫の新創業融資制度を利用するための5つの審査基準」をご覧になってみてください。
基本的なことから、融資獲得のために役立つポイントを掲載しています。
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