
円能寺修二
株式会社JNEXTコンサルティング DX推進担当
DX推進担当。中小企業向けの業務DXやシステム導入支援を中心に、業務設計からツール選定、システム開発、運用定着まで一貫してサポート。現場課題に寄り添った実装力を強みとし、会計・バックオフィス領域を中心に業務効率化を支援している。
業務改善に取り組みたいものの、何から見直すべきか決められずにいませんか。
会計ソフトや勤怠システムを導入しても、現場の負担が減らない場合があります。
原因はツールではなく、業務の流れや承認ルールにあるかもしれません。
業務改善コンサルティングは、現場で起きている課題を整理し、改善の優先順位を決めるための支援です。
自社に合う支援を選ぶには、提案内容だけでなく、現場への関わり方まで確認する必要があります。
この記事では、業務改善コンサルティングを選ぶ際の視点と、相談から定着までの流れを解説します。
業務改善コンサルティングが必要になる企業のサイン
業務改善コンサルティングは、業務が止まってから検討するものではありません。
日々の仕事は回っていても、負担やミスが一部の担当者へ偏っている場合に役立ちます。
業務は回っているのに改善が進まない状態
経理、労務、総務の担当者が、それぞれの経験で業務を回している会社もあるでしょう。
しかし、手順が人によって異なると、引き継ぎや確認に時間がかかります。
次のような状態が続く場合は、業務の整理が必要です。
- 同じ情報をExcel、メール、システムへ入力している
- 承認者が不在のため、申請や支払が止まりやすい
- 担当者しか判断基準を把握していない
- 部署ごとに異なる手順や例外対応が残っている
課題を個別に直すだけでは、別の工程へ負担が移る場合があります。
全体の流れを見ながら、改善の順番を決める視点が求められます。
ツール導入だけでは解決しにくい業務課題
クラウド会計やワークフローの導入は、業務改善の手段の一つです。
ただし、入力ルールや承認の流れが曖昧なままでは、ツールを活かしきれません。
たとえば、請求書の受領方法が部署ごとに異なると、会計ソフトを導入しても入力が統一されません。
勤怠システムを導入しても、締め日や残業申請のルールが曖昧なら修正が発生します。
ツールを選ぶ前に、現場の手順と判断の流れを整理する姿勢が必要です。
業務改善コンサルティングを依頼する前に整理したいこと
相談の前に自社の状況を整理しておくと、コンサルタントへ課題を伝えやすくなります。
完璧な資料を用意する必要はありません。
現場で困っている場面や、業務が止まりやすい工程を書き出すところから始めましょう。
現場で起きている困りごとを言葉にする
「業務を効率化したい」だけでは、優先順位を決めにくくなります。
どの部署で、どの作業に、どのような負担があるかを具体的に整理します。
| 確認する視点 | 例 |
|---|---|
| 作業の重なり | 同じ内容を複数の書類やシステムへ入力している |
| 承認の停滞 | 承認者の不在で申請や支払が遅れる |
| 担当者依存 | 担当者しか例外対応の判断ができない |
| 情報の分断 | 必要な情報がメール、紙、Excelに散らばっている |
現場の声と経営層の課題を並べて見ると、改善すべき工程が見えやすくなります。
社内で決められることと相談したいことを分ける
業務改善では、社内で決めるべき事項と、専門家へ相談したい事項があります。
役割を分けて考えると、改善後の運用が定着しやすくなります。
| 社内で決める事項 | 専門家へ相談したい事項 |
|---|---|
| 改善したい業務の優先順位 | 業務フローの整理方法 |
| 最終承認者と社内窓口 | システムや運用の設計 |
| 社内ルールの最終判断 | 会計・労務をまたぐ課題の整理 |
| 改善に関わる担当者 | 導入後の定着支援の進め方 |
自社の判断を外部へ任せきりにせず、社内の責任者を明確にする姿勢が欠かせません。
改善後に目指したい業務の状態を考える
改善の目的は、ツールを導入することではありません。
担当者が変わっても進めやすく、必要な情報を確認しやすい状態を目指します。
改善後の業務をイメージするために、目指したい状態を具体的にしておきましょう。
- 申請から承認までの担当者と手順が明確になっている
- 会計や労務に必要な情報を、同じルールで管理できる
- 例外対応の判断基準を共有できている
- 業務の進み具合を、担当者以外も確認できる
目指す状態を共有しておくと、改善案を比較する基準になります。
業務改善コンサルティング会社を選ぶ4つの基準
業務改善コンサルティングでは、会社ごとに支援の範囲が異なります。
提案資料の見た目だけで決めず、現場で改善を続けられる支援かを確認しましょう。
現場の業務フローまで確認してくれるか
業務改善では、経営層へのヒアリングだけでなく、実務担当者の作業も確認する必要があります。
現場の実態を把握しなければ、改善案が実務に合わず、実行段階でつまずきやすくなります。
相談時には、現場ヒアリングや業務フローの整理を支援範囲に含むかを確認しましょう。
会計・労務・システムを横断して見られるか
バックオフィスの課題は、会計だけ、労務だけと分けられない場合があります。
勤怠、給与、会計、請求書、承認の流れがつながっているためです。
支援会社を選ぶ際は、各分野のつながりを踏まえて、改善の優先順位を考えられるかを確認してください。
提案だけでなく実行や定着まで支援してくれるか
改善案を作成しても、現場の運用へ落とし込めなければ成果につながりません。
導入後に、担当者が迷わず業務を進められる状態まで支援するかが重要です。
確認したい支援内容は、次のとおりです。
- 業務フローや運用ルールの設計
- システム導入時の設定や役割分担
- 社内向けの説明や運用開始時の支援
- 開始後に発生した課題の確認と見直し
提案、導入、定着のどこまでを支援するかは、契約前に確認しましょう。
支援範囲と担当者の役割が明確か
コンサルタントへ任せる業務と、社内で担う判断を分ける必要があります。
支援範囲が曖昧なままでは、判断の責任者が分からず、進行が滞りやすくなります。
契約前には、成果物、連絡窓口、会議の進め方、社内で準備する資料を確認してください。
進行中に判断が必要になった場合の連絡方法も、あらかじめ決めておくと安心です。
業務改善コンサルティングの相談から定着までの流れ
業務改善は、一度の提案で完了する取り組みではありません。
現状を把握し、小さく試しながら、運用を見直す流れが基本です。
現状分析と課題の整理を行う
最初に、担当者へのヒアリングや資料の確認を通じて、実際の業務を整理します。
ここでは、理想の手順ではなく、日常的に行っている作業を確認します。
確認の対象には、次のような項目があります。
- 業務の担当者と作業の順番
- 使用している書類やシステム
- 承認者と承認の流れ
- 手作業や確認待ちが発生する場面
- 例外対応の内容と判断者
現状を見える化すると、優先して見直すべき課題を整理できます。
優先順位を決めて改善案を設計する
見つかった課題をすべて同時に解決しようとすると、現場の負担が大きくなります。
影響が大きい業務や、手順を標準化しやすい業務から検討しましょう。
改善案では、担当者、承認ルール、使用するシステム、情報の受け渡し方を整理します。
改善後に誰が何を担うかを明確にする点が重要です。
試行しながら運用ルールを見直す
改善案をそのまま全社へ広げるのではなく、一部の業務や部署で試行する方法があります。
試行中に見つかった疑問や例外対応を記録し、運用ルールへ反映します。
開始後に確認したい点は、次のとおりです。
- 申請や承認が止まりやすい工程
- 担当者から寄せられる質問
- 手作業や二重入力が残る場面
- ルールの説明が不足している部分
現場の声を反映しながら整えると、全体へ広げる際の混乱を抑えやすくなります。
定着後も業務改善を続ける
業務の内容や組織の体制は変化します。
そのため、導入時に決めたルールを定期的に見直す必要があります。
担当者の交代、システムの変更、拠点の増減などがあった際は、業務フローや権限を確認しましょう。
改善を一度で終わらせず、運用の中で見直す姿勢が求められます。
会計・労務の業務改善コンサルティングで見直せること
業務改善コンサルティングでは、会計や労務の業務フローを横断して整理します。
各部署の作業をつなげて見ると、重複や確認待ちが見つかる場合があります。
会計フローの整理で二重入力を見直す
会計業務では、請求書の受領、支払承認、会計計上の間で情報が分かれがちです。
その結果、同じ内容をメール、Excel、会計ソフトへ入力する作業が生じます。
改善では、請求書を受け取ってから会計計上までの流れを確認します。
承認の順番や情報の保管場所をそろえると、重複作業を見直しやすくなるでしょう。
労務手続きと承認フローを整理する
労務では、入退社の手続き、勤怠の締め、給与計算、各種申請が関係する領域です。
情報の連携が不十分な場合は、確認漏れや登録の重複が生じる可能性があります。
改善時には、必要情報の収集方法、確認者、承認者、例外時の対応を整理することが大切です。
システム設定と社内ルールを合わせて見直すと、担当者間の連携が円滑になります。
業務改善コンサルティングで注意したい点と相談の目安
コンサルティングを活用する際は、外部の提案をそのまま導入しない姿勢も必要です。
自社の現場に合う形へ調整しながら進めましょう。
現場を確認せずに改善案を進めない
経営層が感じる課題と、実務担当者が困っている場面は異なる場合があります。
現場への確認を省くと、実行しにくいルールやシステム設定になるおそれがあります。
改善案を検討する際は、実務担当者の意見を確認し、試行後の見直しまで含めて計画してください。
バックオフィス全体を見直したいケース
会計、労務、承認、システムの課題が重なると、部門ごとの改善だけでは対応しにくくなります。
次のような状態では、専門家への相談を検討しましょう。
- 担当者しか業務の全体像を把握していない
- 部署ごとにルールや使用するツールが異なる
- 過去に改善したものの、運用が定着しなかった
- 会計・労務・システムをまとめて見直したい
一部の作業だけを変えても、別の工程で手作業や確認が増えるおそれがあります。
自社だけで整理が難しい場合は、業務全体の流れを見ながら、改善の優先順位を考えられる専門家への相談を検討してください。
まとめ|業務改善コンサルティングは現場に合う支援を選ぶ
業務改善コンサルティングでは、提案内容だけでなく、現場の実態を踏まえた支援かを確認します。
支援会社を選ぶ際は、次の4つを確認しましょう。
- 現場の業務フローまで確認してくれるか
- 会計・労務・システムを横断して見られるか
- 実行や定着まで支援してくれるか
- 支援範囲と担当者の役割が明確か
自社の課題と目指す状態を整理すると、必要な支援が見えやすくなります。
現場で続けられる改善を支えるパートナーを選ぶことが、業務改善への第一歩です。
JNEXTグループでは、会計、労務、DX支援を横断しながら、バックオフィスの業務改善を支援しています。
業務フローや支援会社の選び方でお悩みの方は、無料相談を受け付けていますので、お気軽にご連絡ください。

