創業融資

新創業融資制度(日本政策金融公庫)を利用するための5つの審査基準

「新創業融資制度を利用したいけど、自分でも借りられるのかな?自己資金があまりないんだけど…」とお考えではありませんか?

1度失敗すると再度利用することが難しい新創業融資制度ですが、ここでご案内する通りに受けると融資成功率が上がります

というのも、1年間で5億円の融資実績、60社の起業・融資サポートを行っている税理士法人がノウハウを提供するからです。

このページでは、「新創業融資制度とは何か?」といった基本的なことや、「個人事業主でも融資を受けられるのか?」、「必要書類は何か?」、「自己資金なしでも審査に通るのか?」、「もし返済できない場合はどうなるのか?」、をご案内しますね。

読み終えていただければ、あなたが新創業融資制度を利用できるのか?、利用することが難しい場合には何が足りていないのか?がわかります。

1.日本政策金融公庫の新創業融資制度とは?4つのポイントで徹底解説

1.日本政策金融公庫の新創業融資制度とは?4つのポイントで徹底解説

新創業融資制度とは、日本政策金融公庫(旧:国金)の国民生活事業が取り扱っている、新規に開業される方向けの創業融資制度です。

それでは、この新創業融資制度について、

の4つのポイントをご案内しますね。

【ポイント①】個人事業主も利用可能!新創業融資制度の対象

新創業融資制度のポイントの1つ目は、新創業融資制度の対象について、つまり誰が借りられるのかです。

この制度を利用できるのは、次の2パターンのどちらかに当てはまる人です。

新創業融資制度を利用できる2パターン【パターン①】これから事業を始める人
【パターン②】税務申告を2期終えていない人
※法人だけでなく、個人事業主も対象

パターンの1つ目は、これから事業を始める人です。

例えば、会社設立の手続きをしている人、開業届を出した人、すでに事業を始めているが1年目の人は対象ですね。

パターンの2つ目は、税務申告を2期終えていない人です。

例えば、事業を始めて2年目の人までは対象ですね。

既に記載しましたが、法人も個人事業主も対象です。

ただし、税務申告を2期終えてしまうと対象外のため、新創業融資制度を利用するには税務申告を2期終えるまでに申し込んでくださいね。

【ポイント②】新創業融資制度で借りられる限度額は3,000万円

【ポイント②】新創業融資制度で借りられる限度額は3,000万円

新創業融資制度のポイントの2つ目は、新創業融資制度で借りられる限度額について、つまりいくら借りられるのかです。

この制度での融資限度額は、3,000万円です。

3,000万円の内訳は、設備資金の限度額が1,500万円、運転資金の限度額が1,500万円です。

つまり、設備資金と運転資金の2つの資金使途(資金の使いみち)ごとで分かれています。

資金使途の具体的な例は、【ポイント④】資金使途(使いみち)でご案内します。

JNEXTの創業融資担当より一言

新創業融資制度の融資限度額は3,000万円とご案内しましたし、日本政策金融公庫のサイトにもしっかりと明記されています。

ただし、実質的な融資限度額は設備資金と運転資金を合わせて1,000万円です。

というのも1,000万円までは支店決済ですが、1,000万円を超える場合は本店決済であるためです。

本店決済の審査ハードルはとても高いため、1,000万円を超える申込みはオススメしません。

1,000万円を超える資金が必要な場合には、1,000万円を超える部分については保証協会付き融資を利用してください。

※保証協会付き融資については、以下のページで詳しくご案内していますので、もし利用される場合は、しっかりチェックしておいてくださいね。
[blogcard url=”https://www.paton-l.com/founded-loan/guarantee-startup/”] https://www.paton-l.com/founded-loan/guarantee-startup/

 

【ポイント③】単体では利用できない!新創業融資制度の仕組み

新創業融資制度のポイントの3つ目は、どんな仕組みなのかです。

いきなりですが、この新創業融資制度は単体で利用できる制度ではありません

「え、どういうこと?」と思われましたよね。

わかりづらいですが、この制度を利用する上でとても大事なことですので、この後の説明をよくお読みになってください。

この制度を利用するためには、2つのステップが必要です。

 

【ステップ①】自分に当てはまる融資制度を選択する

新創業融資制度を利用するためのステップの1つ目は、自分に当てはまる融資制度を選択するということです。

先に触れましたが、新創業融資制度は単体で利用できる制度ではないんですね。

次の表にある日本政策金融公庫の融資制度と組み合わせることで、はじめて利用することができます。

ですので、まずは、自分に当てはまる制度を、融資一覧から選択します。

新創業融資制度で利用できる融資一覧

融資制度利用対象
新規開業資金新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方
女性、若者/シニア起業家支援資金女性または35歳未満か55歳以上の方であって、新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方
再挑戦支援資金
(再チャレンジ支援融資)
廃業歴等のある方など一定の要件に該当する方で、新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方
新事業活動促進資金経営多角化、事業転換などにより、第二創業などを図る方
企業活力強化資金卸売業、小売業、飲食サービス業、サービス業または一定の要件を満たす不動産賃貸業を営む方で、店舗の新築・増改築や機械設備の導入を行う方など
IT資金情報化投資を行う方
海外展開・事業再編資金海外展開を図る方など
ソーシャルビジネス支援資金社会的課題の解決を目的とする事業を営む方など
地域活性化・雇用促進資金承認地域経済牽引事業計画などに従って事業を行う方または雇用創出効果が見込まれる設備投資を行う方など
観光産業等生産性向上資金「おもてなし規格認証」を取得した方または訪日外国人観光客の消費需要を取り込む方など
事業承継・集約・活性化支援資金事業を承継する方など
働き方改革推進支援資金非正規雇用の処遇改善に取り組む方や従業員の長時間労働の是正に取り組む方など
環境・エネルギー対策資金非化石エネルギー設備や省エネルギー効果の高い設備を導入する方または環境対策の促進を図る方
社会環境対応施設整備資金自ら策定したBCPに基づき、防災に資する施設等の整備を行う方
企業再建資金中小企業再生支援協議会の関与もしくは民事再生法に基づく再生計画の認可などにより企業の再建を図る方
食品貸付食品関係の小売業・製造小売業または花き小売業を営む方で、店舗の新築・増改築、機械設備の導入、フランチャイズチェーンへの加盟などを行う方

たくさんありますが、ココでは、ほとんどの方が『新規開業資金』を選択します

理由としましては『新規開業資金』の利用対象が“新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方”であるため、新創業融資制度を利用できる方なら全員が対象だからです。

もし女性だったら『女性、若者/シニア起業家支援資金』、廃業歴があれば『再挑戦支援資金(再チャレンジ支援融資)』を選択できます。

JNEXTの創業融資担当より一言

日本政策金融公庫の担当者によっては、融資決定時に該当する他の融資制度をオススメしてくれる場合があります。

「自分の該当する融資制度がわからない」と迷ったら、『新規開業資金』を選択しておけば間違いありません。

 

【ステップ②】オプションとして新創業融資制度を選択する。

新創業融資制度を利用するためのステップの2つ目は、オプションとして新創業融資制度を選択するということです。

創業融資の場合、先ほどご案内した新創業融資制度で利用できる融資一覧より選択した融資制度(新規開業資金等)では間違いなく融資を受けられません

なぜなら審査が厳しいからです。

日本政策金融公庫は、新たな事業の創出を支援し日本経済の成長・発展に貢献することを経営方針としています。

ただし金融機能は法律や予算で決められた範囲があるため、「返済の見込みがあること」を判断して融資を行います。

事業実績がなくては返済見込みを判断することが難しいため、審査が厳しくなり、結果として融資を受けられないのです。

したがって、ココでは新創業融資制度をオプションとして利用することになるのです。

新創業融資制度の担当者は、事業実績の代わりに自己資金と事業計画で返済の見込みを判断します。

詳しい審査基準については、日本政策金融公庫の担当者はココを見ている!5つの審査基準でご案内しますね。

【ポイント④】新創業融資制度のメリット・デメリット

メリットデメリット
①担保・保証人が不要
②融資実行までの期間が短い
①利率(金利)が高い
②融資の上限金額が低い
③制度がわかりづらい

メリットとデメリットについて補足しますね。

【メリット①】担保・保証人が不要

新創業融資制度のメリットの1つ目は、担保・保証人が不要ということです。

担保・保証人が不要ということは、会社が倒産しても社長は返済責任を負わないということです。

返済責任のリスクがないため、積極的に起業に挑戦することができますね。

【メリット②】融資実行までの期間が短い

新創業融資制度のメリットの2つ目は、融資実行までの期間が短いということです。

何と比較して融資実行までの期間が短いのかというと、創業融資の際に名が挙がる保証協会付き融資と比べた場合です。

保証協会付き融資では、融資実行までに約2ヶ月かかりますが、新創業融資制度では約1ヶ月で融資が実行されます

※保証協会付き融資については、以下のページで詳しくご案内していますので、もし利用される場合は、しっかりチェックしておいてくださいね。
[blogcard url=”https://www.paton-l.com/founded-loan/guarantee-startup/”] https://www.paton-l.com/founded-loan/guarantee-startup/

【デメリット①】利率(金利)が高い

新創業融資制度のデメリットの1つ目は、利率(金利)が高いということです。

何と比較して利率(金利)が高いのか?というと、新創業融資制度で利用できる融資(新規開業資金等)と比べた場合です。

例えば、新規開業資金の場合の基準利率(金利)は2.16~2.45%ですが、新創業融資制度を利用する場合は2.51~2.80%です。

ただし、この制度で利用できる融資(新規開業資金等)は、無保証人で利用できません。

そのメリットを考慮すれば妥当な金利です。

【デメリット②】融資の上限金額が低い

新創業融資制度のデメリットの2つ目は、融資の上限金額が低いということです。

何と比較して融資の上限金額が低いのか?というと、こちらも、新創業融資制度で利用できる融資(新規開業資金等)と比べた場合です。

例えば、新規開業資金では、7,200万円が上限金額です。

一方、新創業融資制度では、先ほど、新創業融資制度で借りられる限度額は3,000万円のところでもご案内しましたが、1,000万円が実質的な上限金額のため、1,000万円を超える資金が必要な場合には、保証協会付き融資を併せて申込む必要があります。

※保証協会付き融資については、以下のページで詳しくご案内していますので、もし利用される場合は、しっかりチェックしておいてくださいね。
[blogcard url=”https://www.paton-l.com/founded-loan/guarantee-startup/”] https://www.paton-l.com/founded-loan/guarantee-startup/

【デメリット③】制度がわかりづらい

新創業融資制度のデメリットの3つ目は、制度がわかりづらいということです。

ココまでご案内してきましたが、非常にわかりづらい制度でしたよね?

この制度をわかりづらくしているポイントは、次の2つです。

・単体では利用できない
・日本政策金融公庫のサイトに明記されている限度額とは異なる実質的な限度額

この2つのポイントがわかれば、この制度の理解がスムーズになります。

引き続き、ご案内していきますので、お付き合いくださいませ。

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2.利率(金利)や返済期間は?新創業融資制度の4つの利用条件

2.利率(金利)や返済期間は?新創業融資制度の4つの利用条件

新創業融資制度の4つの利用条件は、

 

です。

それぞれ詳しくご案内していきますね。

【利用条件①】2%程度の利率(金利)

新創業融資制度の利用条件の1つ目は、利率(金利)が約2%(1.11~2.80%)であることです。

例えば、三菱UFJ銀行のビジネスローンの利率は約2.1~9%のため、メガバンクと比較しても低金利だと判断できます。

新創業融資制度の利率(金利)は以下の表をご確認ください。

基準利率2.51~2.80%
特別利率A2.11~2.40%
特別利率B1.86~2.15%
特別利率C1.61~1.90%
特別利率E1.11~1.40%
特別利率J1.46~1.75%
特別利率P2.31~2.50%

基準利率があり、さらに6つに区分けた特別利率があります。

ココでは、基本的には基準利率が適用されます。

ただ、条件を満たすことにより低い金利が適用されるのです。

この低い金利は、単体では利用できない!新創業融資制度の仕組みの【ステップ①】で選択した制度ページに明記された利率(年)の条件を満たしていれば、適用されます。

※新創業融資制度で適用される金利の仕組みについては、以下のページで詳しくご案内していますので、もし利用される場合は、しっかりチェックしておいてくださいね。
[blogcard url=”https://www.paton-l.com/founded-loan/newstartuploanprogram_rate/”]https://www.paton-l.com/founded-loan/newstartuploanprogram_rate/

※利率(金利)は2019年6月3日時点の数値です。利率(金利)は変動しますので、最新の情報は日本政策金融公庫のページにてご確認ください。
主要利率一覧表|日本政策金融公庫

【利用条件②】余裕のある返済期間

新創業融資制度のポイントの2つ目は、余裕のある返済期間であることです。

具体的な返済期間は、次の通りです。

資金使途返済期間据置期間
設備資金20年以内2年以内
運転資金7年以内2年以内

例えば、三菱UFJ銀行のビジネスローンの返済期間は3年以内(取引実績が1年以上あれば5年以内)のため、メガバンクと比較しても余裕のある返済期間だと判断できますね。

ただし、実際には、当事務所の実績より、設備資金の場合は7年以内(据置期間6ヶ月以内)、運転資金の場合は5年以内(据置期間6ヶ月以内)の傾向があります。

新創業融資制度の返済期間は資金使途(使いみち)により返済期間が異なり、据置期間を設けることができます。

資金使途と据置期間について簡単にご案内します。

資金使途とは、融資を受けた資金をどのように使うかということです。

詳しくは、【利用条件④】2つの資金使途(使いみち)でご案内しますね。

据置期間とは、利息のみの支払期間のことです。

※据置期間については、以下のページで詳しくご案内していますので、新創業融資制度を利用される場合は、しっかりチェックしておいてくださいね。
[blogcard url=”https://www.paton-l.com/founded-loan/graceperiod/”]https://www.paton-l.com/founded-loan/graceperiod/

【利用条件③】担保と保証人が不要

新創業融資制度のポイントの3つ目は、担保と保証人が不要ということです。

新創業融資制度のメリット①でもご案内しましたが、担保と保証人が不要ということは、会社が倒産しても社長は返済責任を負わないということです。

例えば、銀行融資の場合、社長が保証人になる必要があり、融資金額が高額であれば担保として不動産(家、土地)や有価証券を求められます。

つまり、会社が倒産したときには社長が返済責任を負わなければいけません

新創業融資制度であれば、返済責任のリスクがないため、積極的に起業に挑戦することができるのです。

JNEXTの創業融資担当より一言

実際には、ほとんどいませんが、代表者が自ら保証人になることができます。

ココでいう代表者とは実質的な経営者、共同経営者を含みます。

代表者が保証人になり、返済責任というリスクを背負うことで利率が0.1%低減されるのです。

繰り返しますが、利率を0.1%低減するために自ら保証人になる代表者はほとんどいません。

【利用条件④】2つの資金使途(使いみち)

【利用条件④】2つの資金使途(使いみち)

新創業融資制度のポイントの4つ目は、2つの資金使途(使いみち)があるということです。

資金使途とは、「融資を受けた資金をどのように使うか」という意味です。

新創業融資制度で認められる資金使途は大きく分けると、
『設備資金』
『運転資金』
の2つです。

それぞれ詳しくご案内しますね。

『設備資金』

設備資金とは、事業において長期間にわたって使用される固定資産が該当します。

具体的には、以下のようなものです。

  • 店舗の外装、内装工事費
  • 車両
  • 機械装置
  • パソコン
  • ホームページ作成費

など

『運転資金』

運転資金とは、事業を運営していくために必要な経費が該当します。

具体的には、以下のようなものです。

  • 家賃
  • 人件費
  • 広告宣伝費
  • 仕入

など

JNEXTの創業融資担当より一言

「資本金は資金使途に当てはまるの?」「投資や投機目的で不動産や有価証券を買いたいんだけど」という方がいると思います。

残念ですが、この場合は資金使途として認められませんので、ご注意くださいね。

お問い合わせ

3.必要書類は?自己資金なしでもOK?新創業融資制度の3つの要件

3.必要書類は?自己資金なしでもOK?新創業融資制度の3つの要件

新創業融資制度を利用するためには、次の3つの要件を満たす必要があります。

 

「自己資金なしでもOK?」の回答ですが、基本的に「NO」です。

詳しくは以下の【条件②】自己資金の有無をご確認ください。

それでは3つの要件をご案内していきますね。

【要件①】職務経験か雇用予定の有無

新創業融資制度を利用する要件の1つ目は、職務経験か雇用予定があるかということです。

簡単にまとめますと、

・事業を始める業種において通算6年以上の職務経験があるのか
・上記の経験がない場合は従業員を雇用する予定があるのか

が判断基準です。

厳密には、日本政策金融公庫が定めている雇用創出等の要件のいずれかに該当する必要があります。

もし「絶対に借りたい!」という場合は、以下の引用をしっかりとご確認くださいね。

雇用創出等の要件

1.雇用の創出を伴う事業を始める方
2.技術やサービス等に工夫を加え多様なニーズに対応する事業を始める方
3.現在お勤めの企業と同じ業種の事業を始める方で、次のいずれかに該当する方
(1)現在の企業に継続して6年以上お勤めの方
(2)現在の企業と同じ業種に通算して6年以上お勤めの方
4.大学等で修得した技能等と密接に関連した職種に継続して2年以上お勤めの方で、その職種と密接に関連した業種の事業を始める方
5.産業競争力強化法に規定される認定特定創業支援等事業(注1)を受けて事業を始める方
6.地域創業促進支援事業(注2)又は潜在的創業者掘り起こし事業の認定創業スクールによる支援を受けて事業を始める方
7.公庫が参加する地域の創業支援ネットワーク(注3)から支援を受けて事業を始める方
8.民間金融機関(注4)と公庫による協調融資を受けて事業を始める方
9.1~8までの要件に該当せず事業を始める方であって、新たに営もうとする事業について、適正な事業計画を策定しており、当該計画を遂行する能力が十分あると公庫が認めた方で、1,000万円を限度として本資金を利用する方
10.既に事業を始めている場合は、事業開始時に1~9のいずれかに該当した方

(注1)市町村が作成し、国が認定した創業支援事業計画に記載された特定創業支援等事業をいいます。詳しくは中小企業庁ホームページをご覧ください。
(注2)詳しくは、地域創業促進支援事業管理事務局(株式会社パソナ)ホームページまたは創業スクールホームページをご覧ください。
(注3)詳しくは、支店の窓口までお問い合わせください。
(注4)都市銀行、地方銀行、第二地方銀行、信用金庫または信用組合をいいます。

引用:日本政策金融公庫
https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/yoken_shinsogyo.html

【要件②】自己資金の有無

新創業融資制度を利用する要件の2つ目は、自己資金の有無です。

つまり、日本政策金融公庫が定めている自己資金の要件に該当する必要があるということです。

自己資金要件
新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を1期終えていない方は、創業時において創業資金総額の10分の1以上の自己資金(事業に使用される予定の資金をいいます)を確認できる方
ただし、「現在お勤めの企業と同じ業種の事業を始める方」、「産業競争力強化法に定める認定特定創業支援等事業を受けて事業を始める方」等に該当する場合は、本要件を満たすものとします(注2)

(注2)事業に使用される予定のない資金は、本要件における自己資金には含みません。

引用:日本政策金融公庫
https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/04_shinsogyo_m.html

この引用を簡単にまとめますと、

・創業するのに必要な金額のうち1/10の金額を自己資金として用意すること
(例えば創業するのに1,000万円が必要な金額であれば、自己資金として100万円を用意すること)
・現在勤めている企業と同業種の事業を始める、または認定特定創業支援等事業を受けて事業を始める場合は自己資金は不要であること

が要件です。

表題にもある、「自己資金なしでもOK?」の回答ですが、

・現在勤めている企業と同業種の事業を始める
・認定特定創業支援等事業を受けて事業を始める

上記の場合であれば、要件は満たしますので「OK」。

ただし、これらはあくまでも要件であり、審査の土台に上がっただけです。

そのため、「実際に自己資金なしで融資を受けられるか?」という問いであれば、「OK」とは言い切れません

この件については日本政策金融公庫の担当者はココを見ている!5つの審査基準で詳しくご案内しますね。

自己資金とは、創業者自身のお金の内、事業に使用される予定の資金のことを指します。

また返済義務がなく、出どころがハッキリしているものが自己資金として認められます。

自己資金として認められるケースと認められないケースは以下をご確認ください。

『認められるケース』
・コツコツ貯めた
・退職金
『認められないケース』
・タンス預金(出どころがハッキリしていないため)
・借金(返済義務があるため)

【要件③】2~7つの必要書類を提出

新創業融資制度を利用する要件の3つ目は、2~7つの必要書類を提出する必要があるということです。

書類一覧

書類名条件
借入申込書必須
創業計画書これから事業を始める場合
試算表事業を始めている場合
事業計画書必須ではないが推奨
見積書設備資金を申込む場合
履歴事項全部証明書または登記簿謄本法人の場合
不動産の登記簿謄本または登記事項証明書担保を用意する場合
都道府県知事の推せん書生活衛生関係の事業で融資額が500万円を超える場合

これから事業を始める場合は借入申込書と創業計画書、事業を始めている場合は借入申込書と試算表が必須書類です。

※借入申込書と創業計画書については日本政策金融公庫のサイトにテンプレートがございますので、以下よりダウンロードしてください。
各種書式ダウンロード|日本政策金融公庫

設備資金を申込む場合は設備資金に関する見積書、法人の場合は履歴事項全部証明書または登記簿謄本、など状況によっては別途必要な書類があります。

※履歴事項全部証明書(登記簿謄本)とは、会社の基本的な情報(会社名、住所地、資本金、役員)が掲載された書類です。
履歴事項全部証明書(登記簿謄本)は、本社を管轄している法務局か、最寄りの法務局にて取得できます。

JNEXTの創業融資担当より一言

事業計画書については、日本政策金融公庫は必須としていませんが、当事務所の実績より作成すべきです

なぜなら、創業計画書は事業についての基本的なことを記入するスペースしかないからです。

創業計画書は事業計画書の簡易版と捉えてください。

日本政策金融公庫の担当者自身でも、創業者の考え(事業内容、事業戦略、収益計画等)をしっかり理解する必要があります。

というのも、担当者は面談を受けた後、資料をまとめて上長に報告するためです。

その報告資料は、融資の可否の判断材料です。

そのため、創業者の考え(事業内容、事業戦略、収益計画等)がわかりやすくまとまった事業計画書があることによって、報告資料の質が上がり、自身の評価に繋がります

以上が申込時に求められる資料です。

この他にも面談時に必要な書類があります。

お問い合わせ

4.新創業融資制度の申込みの流れ

4.新創業融資制度の申込みの流れ

新創業融資制度はいつ・どこに申込みをし、審査期間はどれくらいかかるのか、申込みの流れをご案内します。

新創業融資制度はいつ申込む?

新創業融資制度の申込みのタイミングは、【要件③】2~7つの必要書類を提出の書類の準備ができてからです。

また、法人として事業を始める場合は、法人設立後に申込んでください

なぜなら、当事務所の経験上、融資は個人で受けるよりも法人で受けた方が審査に通りやすいからです。

申込みの段階でまだ法人設立が完了していないと、個人扱いですのでご注意ください

新創業融資制度の申込み先はどこ?

新創業融資制度の申込み先はどこ?

新創業融資制度の申込み先は、日本政策金融公庫の窓口またはホームページです。

窓口の場合、法人として事業を始める方は本店所在地に、個人で事業を始める方は創業予定地の近くの支店に申込んでください。

日本政策金融公庫の窓口は、全国に152支店あります。

東京都に14支店、神奈川県に5支店、埼玉県に5支店、千葉県に4支店あります。

ホームページの場合、以下より申込んでください。
インターネット申込|日本政策金融公庫

融資実行までにどれくらいかかる?新創業融資制度の審査期間

新創業融資制度の審査期間は、通常であれば約1ヵ月です。

ただし、以下の場合は審査に時間がかかる可能性があります。

・担当者が忙しくて対応が遅れている。
・提出書類に不備があって、書類の再提出を求められた。
・事業計画の内容が複雑で、担当者が上長の理解を得るのに時間がかかった。

当事務所では、審査に最長で1ヶ月半かかったケースがあります。

その理由は、提出書類に不備があり、再提出を求められたからです。

新創業融資制度の申込みの流れ 6つのステップ

新創業融資制度の申込みの流れ 6つのステップ

新創業融資制度の申込みの流れには、以下の6つのステップがあります。

 

【ステップ①】資料作成・提出

【要件③】2~7つの必要書類を提出でご案内した、以下の書類を日本政策金融公庫へ提出します。

書類一覧

書類名条件
借入申込書必須
創業計画書これから事業を始める場合
試算表事業を始めている場合
事業計画書必須ではないが推奨
見積書設備資金を申込む場合
履歴事項全部証明書または登記簿謄本法人の場合
不動産の登記簿謄本または登記事項証明書担保を用意する場合
都道府県知事の推せん書生活衛生関係の事業で融資額が500万円を超える場合

【ステップ②】面談の案内通知

面談の日時と必要書類が書面にて通知されます。

以下、必要書類として代表的なものです。

・創業計画書の売上、売上原価、経費の計算に用いた資料
・源泉徴収票
・通帳
・支払明細表や返済予定表(住宅や車のローンといった借入金がある場合)
・不動産の賃貸借契約書または概要がわかるもの(店舗を借りる場合)
・運転免許証

面談までにしっかりと準備をしてください。

【ステップ③】日本政策金融公庫の担当者と面談

前項の【ステップ②】で通知された必要書類を持参して面談に挑みます。

服装はスーツが望ましいです。

どうしてかというと、スーツであれば清潔感があり、しっかりしている人に見えますし、担当者へ悪い印象を与えることはないからです。

仕事着でも問題はありませんが、ラフすぎたり、派手だったり、不潔な印象を与えてしまう服装は避けたほうが無難ですね。

面談の所要時間は担当者によっても変わってきますが1~2時間程度でお考えください。

面談では主に以下の8つの質問がされます。

【質問①】「起業を決心した動機は?」

担当者がこの質問をする目的は、事業への情熱や意思の強さを判断するためです。

起業を決心するきっかけになった過去の経験や取得してきた技術、ノウハウを伝えてください。

【質問②】「あなたの強みは?」

担当者がこの質問をする目的は、創業者に事業を成功させる力があるかを判断するためです。

事業を成功させる根拠として、具体的な経験・技術・知識・数字をあなたの強みとして伝えてください。

例えば、ある人は10年間ラーメン屋で修行をし、メニュー開発を任されていました。

食への安全を第一に考え、仕入先に自分で出向いて材料を厳選して、スープは一月かけて理想的なものが完成しました。

その結果、期間限定として提供したメニューでしたが、定番メニューと同等の月間1,000食を売り上げ、今では看板メニューです。

これらの経験を強みとすることで、事業を成功させる根拠として示せます。

【質問③】「自己資金はどのように集めましたか?(通帳を確認)」

担当者がこの質問をする目的は、起業に向けてコツコツと資金を貯めてきたかを判断するためです。

その証拠として通帳を確認されます。

多額の入金があった場合には必ず理由を確認されます

実際に100万円の入金があり、日本政策金融公庫の担当者より理由を求められましたが、両親からの贈与であることを説明し自己資金として認められたケースがありました。

ココできちんと理由を説明できない場合は見せ金だと疑われ、最悪融資を断られるケースがあります

しっかりと通帳の内容を把握して、説明をできる準備をしておいてください。

【質問④】「借金はありますか?」

担当者がこの質問をする目的は、融資したお金を個人的な負債の返済にあてられないかを判断するためです。

日本政策金融公庫は、個人信用情報を取得することにより申込者の借金の有無を確認します

借金があるにもかかわらず「ない」と答えて、バレた場合は信用を失います。

信用がない人は、融資を受けられません

隠しても無意味なので、正直に答えてください。

【質問⑤】「事業内容を教えてください」

担当者がこの質問をする目的は、事業を本当に実行できるのかどうかを判断するためです。

担当者にしっかりと事業内容を理解してもらえるように、「どのように伝えればわかりやすいのか」を考える必要があります。

事業計画書だけで理解できる内容かを見直して、もしわかりづらい点があるようであれば、補足する資料を作成してください。

図や画像を入れて説明することで、イメージがしやすいです。

【質問⑥】「競合他社と差別化できる点は?」

担当者がこの質問をする目的は、競合他社に負けずに事業を実現していけるかどうかを判断するためです。

事業を差別化できる要因とその内容をしっかりと伝えてください。

例えば、とあるフランチャイズの場合は、独自のマニュアルにより業務の効率化を図り、作業時間や人件費のコスト削減を差別化要因としています。

【質問⑦】「売上と経費の根拠は?」

担当者がこの質問をする目的は、収支計画に信憑性があるかどうかを判断するためです。

自身の経験や統計データをもとにした明確な根拠を伝えてください。

JNEXTの創業融資担当より一言

例えば、飲食店の場合、売上予測は以下の計算式で算出できます。

「売上=座席数×満席率×客席稼働回数×客単価」

満席率とは、満席時にどれだけの席が埋まっているかを表した数値です。

例えば、店内の座席数が20席だとして、4人テーブルに3人しか座っていなかったり、2人席に1人しか座っていなかったりして、結果として12席しか埋まっていなければ満席率は60%です。

客席稼働回数とは、店舗営業時間÷平均滞留時間で算出できます。

例えば、6時間(360分)営業でお客様の平均滞在時間が45分だとすると8回です。

それでは、以下の場合の売上はいくらになるでしょうか。

座席数:20席
満席率:60%(0.6)
客席可動回数:8回
客単価:1,000円

20×0.6×8×1,000=96,000

1日の売上は96,000円です。

この1日の売上に、ひと月の営業日数を掛けることで月商が算出されます。

実際に計画を作成する際には、時間帯(ランチ、ディナー)、曜日(平日、休日)ごとに細かく計算してくださいね。

【質問⑧】「事業がうまくいかなかった場合はどうするか?」

担当者がこの質問をする目的は、事業計画通りにうまくいくとは限りませんので、危機管理能力を判断するためです。

事前にどのような不具合が起こり得るかを想定し、それに対してどのような対策をしていくのかを伝えてください。

もし事業について不安があるなら創業融資の専門家に問い合わせてみてはいかがでしょう。

【ステップ④】現地調査

現地調査では、日本政策金融公庫の担当者が開業場所を実際に訪れます。

開業場所が存在しているか、事業を行う準備をしているかを確認するためです。

しっかりと事業を行う準備をしていれば問題ありません。

【ステップ⑤】結果連絡

審査結果の通知は可否にかかわらず郵送されてきます。

担当者によっては事前に電話で結果を教えてくれる場合があります。

融資を受けられる場合には、以下の必要書類の提出を求められます。

必要書類
・借用証書
・印鑑証明書
・収入印紙
・送金口座の通帳コピー
など

借用証書は、審査結果の通知書類に同封されていますので、署名・押印、収入印紙を貼付・割印してください。

印鑑証明書は、住民登録している市の役所、役所の出張所、証明サービスコーナーで発行できます。

収入印紙は、借入金額によって貼付する印紙の金額は異なりますのでご注意くださいね。

例えば、借入金額が500万円超、1,000万円以下であれば1万円の収入印紙が必要です。

以上、必要書類の用意ができましたら、日本政策金融公庫へ返送してください。

【ステップ⑥】融資実行

返送書類を日本政策金融公庫が受領してから、3営業日後に入金されます。

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5.日本政策金融公庫の担当者はココを見ている!5つの審査基準

5.日本政策金融公庫の担当者はココを見ている!5つの審査基準

新創業融資制度の審査基準は、

 

です。

それぞれの審査基準について、ご案内しますね。

【審査基準①】自己資金が十分にあるか

新創業融資制度の審査基準の1つ目は、自己資金が十分にあるかです。

審査をする上で数値化されてわかりやすいのが、自己資金をいくら用意したのか。

自己資金について気をつけなければならないのが、自己資金要件では“創業資金総額の10分の1以上”、“条件を満たせば自己資金要件を免除”と明記されている点です。

というのもこれらはあくまでも要件であり、審査の土台に上がっただけでしかないためです。

実際に融資を受けるには、“創業資金総額の4分の1以上”はご用意ください

JNEXTの創業融資担当より一言

当事務所では、事前に自己資金と融資希望額を確認しておりますので、自己資金が不足していて審査に通らなかったケースはありません。

もし融資希望額が足りない場合は、資産等を売却して自己資金を増やしていただくか、自己資金を貯めていただきます。

【審査基準②】自己資金に見せ金はないか

新創業融資制度の審査基準の2つ目は、自己資金に見せ金はないかです。

自己資金を十分に用意できたとしても、用意の仕方によっては見せ金だと疑われる可能性があります。

例えば、通帳にいきなり100万円の入金があった場合、この入金は不自然です。

友人や消費者金融から借りて、自己資金を多く見せるために急遽用意した“見せ金”ではないか?

自己資金はコツコツ貯金をしてきたからこそ計画性を評価されるのです。

【審査基準③】起業しようとしている業種での経験が十分にあるか

【審査基準③】起業しようとしている業種での経験が十分にあるか

新創業融資制度の審査基準の3つ目は、起業しようとしている業種での経験が十分にあるかです。

その理由は、事業経験に自信があるか、強みをもっているかを判断するためです。

起業しようとしている業種での経験年数は数値化されているため、説得力があります。

もちろん立場についても評価の対象ですので、正社員で現場監督をしていたり、店長を任されていたりした場合には、自身の強みとして積極的にアピールしてください。

未経験業種で起業したい、というのならば十分な自己資金や根拠のある事業計画でカバーします。

【審査基準④】事業計画がしっかりしているか

新創業融資制度の審査基準の4つ目は、事業計画がしっかりしているかです。

これから起業するため、もちろん事業実績はありませんので、具体的な事業計画を作成します。

例えば、以下の5点を注意してみてください。

・綿密に事業計画を立てることができるのか
・はたして実行できる内容なのか
・売上と経費の根拠はしっかりしているか
・競合他社との差別化できる要因はあるのか
・もし事業がうまくいかない場合はどのような対策を考えているのか

自分だけの判断ではなく、周りの方の意見を取り入れつつ、様々な視点から説得力のある事業計画を作成してくださいね。

JNEXTの創業融資担当より一言

当事務所で事業計画書を確認する際に気をつけている点は、ストーリーが頭に描けるかどうかですね。

事業計画書は、創業者の考え(事業内容、事業戦略、収益計画等)を日本政策金融公庫の担当者に伝えるためツールです。

担当者に伝わらない事業計画書は無価値

しっかりしたストーリー展開であれば、事業計画をスムーズに理解してもらえます。

【審査基準⑤】信用情報に問題がないか

新創業融資制度の審査基準の5つ目は、信用情報に問題がないかです。

その理由は、信用情報に問題があると融資を受けるのは困難なためです。

日本政策金融公庫の審査では、クレジットカードやローンの支払状況に延滞(滞納)があるか、ブラックリストに入っていないかを確認します。

ブラックリストに入っている場合はもってのほかで、延滞があればお金にルーズという印象を持たれてしまいます

ただし1度の延滞であれば、理由次第では問題とされない場合があります。

さて、これまで審査基準をご案内してきましたが、どのような印象を持ちましたか?

「事業計画を作るのが大変そうだな。注意する点が多くてモレがありそう…」

と不安に思われた方はいらっしゃいませんか。

もし、少しでも不安に思われたなら、以下をご確認ください。

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6.新創業融資制度を【確実】に受けるには?専門家(税理士)にサポートを依頼する!

6.新創業融資制度を【確実】に受けるには?専門家(税理士)にサポートを依頼する!

新創業融資制度をもちろん自分で受けていただいても結構ですが、制度の仕組みを理解し、ポイントを掴んだ事業計画を作成するのはやはり大変ですよね。

「融資を受けないと起業できないから、失敗したくないな。」

のようなお悩みがある方は専門家にサポートを依頼することを検討してみてください。

自分で申請する場合と専門家に依頼する場合のメリット・デメリット

メリットデメリット
自分・費用がかからない・融資を受けられる確率は50%未満なので不安がある
・制度について把握する手間がかかる
・必要資料の作成に時間がかかる
・作成した資料の不備を見落としてしまう
専門家・融資を受けられる確率が90%を超える
・実績があり信用していただいている支店に依頼できるので話しがスムーズ
・計画書は何度も作成しているので、チェックするポイントを押さえている
・費用がかかる(着手金+報酬2~5%というケースが多い)
・“創業融資の支援が得意”だとうたっているにもかかわらず実際にはあまり経験のない専門家がいる

専門家に依頼するかどうかは費用次第ですよね。

例えば、実際に融資された金額が500万円だとした場合は、融資額の2~5%(10万~25万円)が報酬として発生します。

もちろん融資額が多額であればあるほど、それに応じて報酬が高額になります。

専門家に依頼する場合は、「もし確実に融資を受けられるなら報酬としていくらまで出せるのか?」を考えてみてくださいね。

専門家別(税理士、行政書士)のメリット・デメリット

専門家に依頼すると決めた場合、次はどこに依頼するかを決める必要があります。

創業融資をサポートする専門家といえば税理士と行政書士の2択です。

それでは、税理士と行政書士に依頼する場合のメリット・デメリットをご案内しますね。

メリットデメリット
税理士・税務のプロなので説得力のある数字で計画書を作成
・顧問契約を結べば創業後の面倒を見てもらえる
・行政書士の資格を持っているケースがある
・顧問契約がセットのケースがある
行政書士・書類作成のプロなので、計画書の作成に長けている・業務の範囲が広く、人によって得意分野が異なるため、創業融資専門の行政書士を探す必要がある

税理士は行政書士の資格を持っているケースがあります。

両資格を有する税理士に依頼する方がベストですよね。

ココで気をつけなければならないことは、“創業融資の支援が得意”だとうたっているにもかかわらず実際にはあまり経験のない専門家がいることです。

専門家の選び方のポイントは次の通りです。

専門家の選び方のポイント

  • 今までの融資実績はどうか
  • 具体的にどんなことをしてくれるのか
  • 口コミ等の評価は良いのか
  • 実際に何社かに相談して具体的な融資実績を確認する

 

新創業融資制度は、1度失敗すると再度利用することが難しいので、経験豊富で優良な専門家に依頼してくださいね。

税理士による創業融資サービスについてはこちらの「【創業融資ホットライン】税理士による創業融資支援サービス」をご覧になってみてください。

融資実行率100%・累計獲得額15億円以上の実績のある創業融資専門サービスです。

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7.新創業融資制度に関するよくあるQ&A

7.新創業融資制度に関するよくあるQ&A

新創業融資制度に関するよくある質問をまとめました。

Q.新創業融資制度は創業時にしか利用できないの?

いいえ。

新創業融資制度は創業時はもちろん、事業開始後でも税務申告を2期終えていなければ利用できます。

Q.新創業融資制度と新規開業資金の違いは?

新創業融資制度と新規開業資金の違いは対象、融資限度額、担保・保証人の有無です。

具体的な違いは以下の表をご確認ください。

対象融資限度額担保・保証人
新創業融資制度新たに事業を始める方または事業開始後で税務申告を2期終えていない方3,000万円(うち運転資金1,500万円)不要
新規開業資金新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方7,200万円(うち運転資金4,800万円)必要

税務申告を2期終えておらず、融資希望額が3,000万円以内であれば、無担保・無保証人で受けられる“新創業融資制度”を利用します。

その他の場合(すでに税務申告を2期終えており、事業開始後7年以内)であれば、新規開業資金を利用します。

Q.親からの贈与は自己資金?

親からの贈与は状況によっては自己資金として認められます。

というのも100万円の贈与を受けるケースでも、創業者の状況で回答が異なるからです。

例えば、すでに300万円の自己資金があり、親から100万円の贈与を受けるケースであれば、自己資金として認められる可能性が高いです。

しかし、自己資金が0円にもかかわらず、親から100万円の贈与を受けるケースは自己資金として認められません。

あくまでも自己資金とは自身でコツコツ貯めたお金だからです。

自分で貯めてきたけど、少し足りないからという理由での贈与であれば認められる可能性が高いのです。

ただし、年間110万円を超える贈与の場合は、贈与税がかかりますのでご注意ください

また贈与ということを証明するために、贈与契約書を結ぶ必要があります。

贈与契約書のテンプレートは、下記よりダウンロードして下さい。
贈与契約書 テンプレート

Q.住宅ローンがあっても融資を受けられるのか?

Q.住宅ローンがあっても融資を受けられるのか?

はい。

ただし、住宅ローンの返済額と役員報酬(創業者様の給与)のバランスには気をつけてください。

なぜなら住宅ローンを返済しつつ、創業者様の生活を圧迫しない程度の役員報酬を設定する必要があるからです。

日本政策金融公庫の担当者は、この整合性が取れないと、計画性がない人だと判断します。

Q.新創業融資制度を受けた後、会社が倒産してしまって返済できない場合はどうなるの?

新創業融資制度を受けた後、会社が倒産してしまって返済できない場合でも、代表者に返済義務はありません。

というのも新創業融資制度は担保と保証人が不要の制度だからです。

これまでに何度もご案内してきましたが、新創業融資制度のメリットはこの担保と保証人が不要な点です。

だからといって無責任に起業をしていいわけではありません。

担保と保証人を用意することは難しいので、起業のハードルを下げるための制度だとご認識くださいね。

ただし、代表者が連帯保証人になっていた場合は返済義務が生じます。

倒産する前に日本政策金融公庫と事前に相談してください。

基本的に一括返済を求められるため、資金がなくて返済ができない場合は自己破産します。

※自己破産とは、全ての借金をゼロにする手続きです。ただし20万円を超える財産は手放す必要があります。

返済金額が少額である場合や、返済見込みがある場合には、リスケで対応していただけるケースがあります。

※リスケとは、借入金の返済条件を変更し、支払期間を伸ばし月々の返済金額を減額することです。

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