
荻野岳雄
税理士法人JNEXT 代表社員
税理士/国税局OB。税理士法人JNEXT代表として中小企業の税務・経営支援に従事。DXを軸にした経営改善や税務戦略を得意とし、実務に基づく発信をYouTubeなどでも行っている。
自社の業務に合った経理システムを構築したいが、どこに開発を依頼すればよいか分からないという悩みは、多くの経営者が抱えています。既製の会計ソフトでは自社の複雑な業務フローに対応できず、独自のシステム開発を検討するものの、開発会社の選び方が分からず、結局先送りにしてしまうケースも少なくありません。
結論から言えば、経理システム開発の依頼先は、会計業務への深い理解と開発実績を併せ持つパートナーを選ぶことが成功の鍵です。単にプログラミングができるだけの開発会社では、経理特有の複雑な要件や法令対応を適切に実装できず、使えないシステムが出来上がるリスクがあります。
本記事では、経理システム開発をどこに頼むべきか悩む経営者に向けて、依頼先の選択肢と特徴、選定時の具体的な判断基準、初心者がつまずきやすいポイント、そして専門家への相談が必要なケースまで、実務経験をもとに詳しく解説します。
経理システム開発を外注すべき理由と依頼先の選択肢
経理システムの開発を検討する際、まず理解すべきは、なぜ外注が必要なのか、そしてどのような依頼先の選択肢があるのかという点です。自社で開発するか外注するかの判断、外注するならどのようなパートナーを選ぶべきかを明確にすることが、プロジェクト成功の第一歩となります。
既製パッケージではなく独自開発が必要なケースとは
市場には多くの会計ソフトやERPパッケージが存在しますが、すべての企業のニーズを満たせるわけではありません。独自開発を検討すべき典型的なケースを理解しましょう。
第一に、業種特有の複雑な会計処理が必要な場合です。建設業の工事進行基準、不動産業の収益認識、製造業の原価計算など、業種によって会計処理は大きく異なります。汎用的なパッケージソフトでは、こうした特殊な処理に対応できず、手作業での補完が必要になり、かえって非効率になるケースがあります。
第二に、既存の基幹システムとの深い連携が求められる場合です。販売管理システム、在庫管理システム、生産管理システムなど、他の業務システムと経理システムを密に連携させる必要がある企業では、APIやデータベースレベルでの統合が必要になります。パッケージソフトでは連携の自由度が限られるため、独自開発が選択肢となるのです。
第三に、大規模な組織で複雑な承認フローや権限管理が必要な場合です。複数の事業部、多数の拠点、階層的な組織構造を持つ企業では、誰がどのデータにアクセスでき、どのような承認ルートで処理が進むのか、細かく設定する必要があります。パッケージソフトの標準機能では柔軟性が不足することがあるのです。
第四に、将来的な事業拡大や業務変更に柔軟に対応したい場合です。M&Aによる企業統合、新規事業の立ち上げ、海外展開など、事業環境が大きく変化する可能性がある企業では、システムの拡張性と柔軟性が重要になります。独自開発であれば、将来の変化に合わせてカスタマイズできる余地を残せます。
ただし、独自開発には高額な初期投資と長期間の開発期間が必要です。開発費用は数百万円から数千万円規模になることも珍しくなく、完成まで半年から1年以上かかるケースもあります。本当に独自開発が必要なのか、パッケージソフトのカスタマイズで対応できないか、慎重に検討することが重要です。
システム開発会社の主な種類と特徴
経理システム開発を依頼できる先は、大きく分けて4つのタイプがあります。それぞれの特徴を理解し、自社に適した依頼先を選びましょう。
大手システムインテグレーター、いわゆるSIerは、大規模なシステム開発を得意とする企業です。要件定義から設計、開発、テスト、導入、運用保守まで一貫して対応でき、プロジェクト管理の体制も整っています。大企業向けの基幹システム開発の実績が豊富で、品質管理も厳格です。ただし、開発費用は高額になりがちで、数千万円から億単位の予算が必要になることもあります。また、大規模プロジェクトを前提とした体制のため、中小企業の小規模案件には対応しにくい場合があります。
中堅・中小のシステム開発会社は、柔軟な対応と適正価格が魅力です。数百万円から数千万円規模のプロジェクトに適しており、中小企業のニーズを理解した提案が期待できます。特定の業種や技術領域に特化した会社も多く、自社の業種に強い開発会社を見つければ、業務理解が早くスムーズな開発が可能です。ただし、会社によって技術力や対応力に差があるため、実績や評判を慎重に確認する必要があります。
Webシステム開発に特化した会社は、クラウドベースの経理システム開発に適しています。モバイル対応やリモートアクセス、複数拠点からの同時利用など、現代的な働き方に対応したシステムを得意とします。開発スピードが速く、アジャイル開発で段階的にリリースしていくスタイルを取ることが多いです。ただし、オンプレミス環境や既存システムとの複雑な連携には対応できない場合があります。
業務コンサルティング会社の開発部門は、業務改善とシステム開発を一体的に提供できる点が特徴です。単にシステムを作るだけでなく、業務フローの見直しや組織体制の改善も含めて支援してもらえます。経理業務の専門知識を持つコンサルタントが要件定義に関わるため、業務に即したシステムが構築できます。ただし、開発そのものは外部のエンジニアに再委託するケースもあり、コストが割高になる傾向があります。
会計特化型と汎用型開発会社の違い
経理システム開発において重要な判断基準の一つが、会計特化型の開発会社を選ぶか、汎用型の開発会社を選ぶかという点です。この選択は、プロジェクトの成否に大きく影響します。
会計特化型の開発会社は、会計ソフトメーカーの開発部門や、会計システムに特化した中小開発会社です。最大の強みは、会計業務への深い理解です。仕訳の仕組み、勘定科目の体系、決算処理の流れ、税務申告との関連など、経理特有の知識を開発チームが持っているため、要件定義の段階から的確な提案が期待できます。
例えば、「消費税の処理を自動化したい」という要望に対して、会計特化型の開発会社であれば、課税取引と非課税取引の判定ロジック、仕入税額控除の要件、軽減税率への対応など、具体的な実装方法を提案できます。一方、汎用型の開発会社では、依頼者が詳細な仕様を説明しなければ、適切なシステムを構築できません。
また、会計特化型の開発会社は、電子帳簿保存法や会社法、金融商品取引法などの法令要件にも精通しています。法改正への対応方法や、税務調査を想定したデータ保存の仕組みなど、コンプライアンスの観点からも安心できるシステムを構築してもらえるのです。
一方、汎用型の開発会社は、幅広い技術領域に対応できる柔軟性が強みです。経理システムだけでなく、販売管理、在庫管理、顧客管理など、複数のシステムを統合的に開発する場合は、汎用型の開発会社が適しています。また、最新の技術トレンドへの対応力も高く、AI活用や自動化技術など、先進的な機能を取り入れやすい傾向があります。
ただし、汎用型の開発会社に依頼する場合は、自社側で詳細な業務要件を整理し、明確に伝える必要があります。開発会社が会計業務を理解していない前提で、どのような処理が必要か、どのような出力が求められるか、具体的に説明しなければなりません。この作業負担は決して軽くありません。
理想的なのは、会計知識を持つ開発会社と、自社の業務を深く理解する担当者が協力してプロジェクトを進める体制です。どちらか一方に偏るのではなく、両者の強みを活かすことが、成功への近道となります。
フリーランスエンジニアに依頼するメリットとリスク
システム開発の選択肢として、フリーランスエンジニアへの依頼を検討する企業も増えています。コスト面でのメリットは大きい一方、リスクも存在するため、慎重な判断が必要です。
フリーランスエンジニアの最大のメリットは、開発コストの低さです。システム開発会社に依頼すると、エンジニアの人件費に加えて、営業費用、管理費用、利益などが上乗せされます。フリーランスに直接依頼すれば、中間マージンが発生しないため、同じ予算でより多くの機能を実装できる可能性があります。
また、コミュニケーションの直接性も利点です。開発会社を介さず、エンジニアと直接やり取りできるため、意思疎通がスムーズで、細かい要望も柔軟に対応してもらえます。特に小規模なシステム開発では、この機動力が効果を発揮します。
しかし、フリーランスへの依頼には無視できないリスクがあります。第一に、プロジェクト管理の負担が依頼者側に重くのしかかります。開発会社であれば、プロジェクトマネージャーが進捗管理、品質管理、リスク管理を担当しますが、フリーランスの場合は依頼者自身がこれらを管理しなければなりません。
第二に、属人性のリスクです。開発を担当するフリーランスが病気や事故で作業を継続できなくなった場合、プロジェクトが頓挫してしまいます。開発会社であれば、担当者が変わっても組織として対応できますが、個人への依頼ではこうした継続性が保証されません。
第三に、保守運用の問題です。システムは完成後も、バグ修正、機能追加、法改正対応など、継続的なメンテナンスが必要です。フリーランスが他のプロジェクトに移ってしまい、連絡が取れなくなるケースも珍しくありません。長期的なサポート体制を契約時に明確にしておかなければ、後で困ることになります。
第四に、品質管理の課題です。開発会社では複数のエンジニアによるコードレビューやテスト工程が標準化されていますが、フリーランスの場合は個人の裁量に依存します。セキュリティ面の脆弱性や、バグが見逃される可能性も高まります。
フリーランスへの依頼は、比較的小規模で、要件が明確で、依頼者側にシステム開発の知識がある場合に適しています。逆に、大規模で複雑なシステム、長期的な保守が必要なシステム、ミッションクリティカルなシステムの場合は、信頼できる開発会社に依頼するほうが安全です。
経理システム開発の依頼先を選ぶ際の判断基準と初心者がつまずくポイント
依頼先の選択肢を理解したら、次は具体的な選定基準を確認しましょう。何を基準に判断すれば失敗を避けられるのか、初心者がつまずきやすいポイントとともに詳しく解説します。
会計業務の知識と経理システム開発実績があるか確認する
経理システム開発の依頼先を選ぶ際、最も重要な判断基準は、会計業務への理解と経理システム開発の実績です。この点を軽視すると、使えないシステムが出来上がるリスクが高まります。
具体的な確認方法として、まず開発会社のウェブサイトや会社案内で、経理システムや会計システムの開発実績を確認します。単に「実績あり」と書かれているだけでなく、具体的な事例が紹介されているか、どのような機能を実装したのか、詳細な情報が公開されているかをチェックしましょう。
次に、担当者との面談で、会計用語が通じるかを確認します。例えば、「仕訳の自動化」「勘定科目の階層管理」「補助科目の設定」「月次決算の自動化」といった経理特有の用語を使った際、担当者が即座に理解し、具体的な実装方法を提案できるかが重要な判断材料です。
過去の開発事例の詳細を聞くことも有効です。どのような業種の、どのような規模の企業に、どのような経理システムを開発したのか、具体的に説明してもらいましょう。自社と似た業種や規模の実績があれば、業務理解がスムーズで、開発期間の短縮も期待できます。
初心者がつまずくのは、見た目の印象や営業トークだけで判断してしまうことです。洗練されたプレゼンテーションや、最新技術のアピールに惹かれがちですが、経理システム開発において最も重要なのは、地味でも確実な業務理解と実装力です。
また、価格の安さだけで選んでしまうのも危険です。経理システムは企業の財務情報を扱う重要なシステムであり、安易に低価格の開発会社を選ぶと、セキュリティや品質に問題が生じる可能性があります。適正価格の範囲内で、最も信頼できる実績を持つ開発会社を選びましょう。
要件定義から運用保守まで対応可能かを見極める方法
システム開発は、完成して終わりではありません。運用開始後の保守、機能追加、法改正への対応など、長期的なサポートが必要です。開発だけでなく、運用保守まで一貫して対応できる依頼先を選ぶことが重要です。
要件定義の段階での対応力を確認しましょう。システム開発において、要件定義は最も重要なフェーズです。ここで業務要件を正確に把握し、実装すべき機能を明確にできなければ、後で大幅な修正が必要になります。開発会社が、依頼者の曖昧な要望を具体的な仕様に落とし込む能力を持っているか、過去の事例を通じて確認しましょう。
開発手法についても確認が必要です。ウォーターフォール型の開発では、最初に全ての要件を確定させてから開発に入るため、後からの変更が困難です。一方、アジャイル型の開発では、段階的に機能をリリースし、フィードバックを受けながら改善していくため、柔軟な対応が可能です。自社の状況に合った開発手法を採用できる開発会社を選びましょう。
運用保守の体制も重要な確認事項です。システムリリース後、どのようなサポートが受けられるのか、具体的に確認します。バグが発見された場合の対応時間、問い合わせ窓口の営業時間、緊急時の連絡方法、保守費用の料金体系など、詳細を契約前に明確にしておく必要があります。
法改正への対応方針も確認しましょう。消費税率の変更や電子帳簿保存法の改正など、経理システムは法令の影響を大きく受けます。法改正時に、どのような対応をしてくれるのか、追加費用は発生するのか、事前に確認しておくことで、将来的なコスト見通しが立てられます。
初心者がつまずくのは、開発完了時点でプロジェクトが終わると考えてしまうことです。実際には、運用開始後こそ、細かな調整や機能追加が必要になります。長期的なパートナーシップを築ける依頼先を選ぶという視点が重要なのです。
見積もりと開発期間が適切か判断するチェック項目
経理システム開発の見積もりと開発期間が適切かどうかを判断するのは、初心者には難しい作業です。相場観がないため、提示された金額や期間が妥当なのか判断できないからです。
見積もりの妥当性を判断するには、複数の開発会社から相見積もりを取ることが基本です。最低でも3社、可能であれば5社程度から見積もりを取得し、金額の分布を確認します。極端に安い見積もりと極端に高い見積もりは除外し、中央値に近い金額を提示する会社の中から、実績と信頼性で選ぶのが現実的です。
見積もりの内訳が明確かも重要なチェック項目です。総額だけでなく、要件定義、設計、開発、テスト、導入支援、研修、保守といった各工程の費用が明記されているか確認しましょう。内訳が不透明な見積もりは、後から追加費用が発生するリスクがあります。
人月単価を確認することも有効です。システム開発の見積もりは、エンジニアの稼働時間に基づいて算出されます。一般的に、経験豊富なエンジニアの人月単価は80万円から150万円程度です。極端に安い単価の場合、経験の浅いエンジニアが担当する可能性があり、品質やスケジュールに影響が出るリスクがあります。
開発期間の妥当性も確認しましょう。経理システムの開発期間は、規模や複雑さによって異なりますが、小規模なシステムでも3か月から6か月、中規模であれば6か月から1年程度が一般的です。極端に短い期間を提示する開発会社は、要件定義やテストを軽視している可能性があり、注意が必要です。
初心者がつまずくのは、安い見積もりに飛びつくことです。経理システムは企業の重要な基盤であり、安さだけで選ぶと、後で大きなトラブルに発展します。適正価格で、信頼できる品質を提供する開発会社を選ぶことが、長期的には最もコストパフォーマンスが高いのです。
また、見積もりの段階で、追加費用が発生する条件を明確にしておくことも重要です。要件変更時の費用、想定外の工数が発生した場合の対応、保守費用の値上げ条件など、後でトラブルにならないよう、契約書に明記してもらいましょう。
セキュリティ対策と法令対応の体制を確認すべき理由
経理システムは、企業の財務情報、取引先情報、従業員の給与情報など、機密性の高いデータを扱います。セキュリティ対策が不十分なシステムは、情報漏洩のリスクを生み、企業の信頼を失墜させる可能性があります。
開発会社のセキュリティ対策を確認する際は、具体的な対策内容を質問しましょう。データの暗号化、アクセス権限の管理、ログの記録、不正アクセスの検知、定期的な脆弱性診断など、どのような対策が実装されるのか、詳細に説明してもらいます。
また、開発会社自体のセキュリティ体制も重要です。プライバシーマークやISMSなどの認証を取得しているか、開発環境のセキュリティはどうなっているか、開発者の秘密保持契約はどうなっているかなど、組織としてのセキュリティ管理体制を確認しましょう。
法令対応の体制も見逃せません。経理システムは、電子帳簿保存法、会社法、金融商品取引法、個人情報保護法など、多くの法令の影響を受けます。開発会社が、これらの法令要件を正しく理解し、システムに反映できるか確認が必要です。
特に重要なのは、法改正への対応方針です。法令は定期的に改正されるため、システムも継続的なアップデートが必要です。法改正時に、どのような対応をしてくれるのか、追加費用は発生するのか、対応期間はどれくらいかかるのか、事前に確認しておきましょう。
初心者がつまずくのは、セキュリティや法令対応を後回しにしてしまうことです。機能やデザインに目が行きがちですが、セキュリティや法令対応は、経理システムの根幹をなす要素です。この部分で問題が生じると、最悪の場合、システム全体を作り直すことになりかねません。
開発後のサポート体制が不十分で失敗するケース
システムは完成して稼働を始めてからが本番です。しかし、開発後のサポート体制が不十分な開発会社を選んでしまい、運用段階で苦労する企業は少なくありません。
典型的な失敗例は、バグが見つかっても対応が遅い、あるいは対応してもらえないケースです。システム稼働後に不具合が発見されるのは珍しくありませんが、開発会社の対応が遅いと、業務に支障をきたします。特に月次決算や税務申告の時期に不具合が発生すると、企業活動に深刻な影響を与えます。
サポート体制を事前に確認する際は、具体的な対応時間を明確にしましょう。平日9時から18時のみの対応なのか、夜間や休日も対応可能なのか、緊急時の連絡方法はどうなっているのか、詳細を契約書に盛り込みます。
また、問い合わせ方法も確認が必要です。電話、メール、チャット、リモート接続など、どのような手段で問い合わせができるのか、対応までの目安時間はどれくらいかを確認します。メールのみの対応で、返信に数日かかるような体制では、緊急時に困ります。
保守費用の範囲も明確にしておきましょう。どこまでが無償サポートで、どこからが有償対応になるのか、曖昧な契約は後でトラブルの原因になります。バグ修正は無償、機能追加は有償といった基準を明確にしておく必要があります。
初心者がつまずくのは、開発費用の安さに注目し、保守費用を軽視することです。開発費用が安くても、保守費用が高額であれば、トータルコストは割高になります。開発費用と保守費用を合わせた総保有コストで判断することが重要です。
コミュニケーション不足でシステムが使えなくなる失敗例
経理システム開発の失敗で最も多い原因の一つが、開発会社とのコミュニケーション不足です。要件が正確に伝わらず、完成したシステムが期待と異なるという事態に陥ります。
典型的な失敗例は、依頼者が「普通にできるだろう」と思っていた機能が実装されていないケースです。例えば、「請求書を出力したい」という要望に対して、依頼者はExcel形式での出力を想定していたのに、開発会社はPDF形式での出力しか実装していなかった、といった齟齬が発生します。
こうした失敗を防ぐには、要件定義の段階で、具体的な画面イメージや操作フローを確認することが重要です。ワイヤーフレームやプロトタイプを作成してもらい、実際の操作感を確認しながら進めることで、認識のズレを早期に発見できます。
定期的な進捗報告の場を設けることも有効です。月に1回程度、開発状況の報告会を開催し、現在の進捗、課題、今後の予定などを共有します。この場で疑問点や要望を伝えることで、大きなズレが生じる前に軌道修正できます。
また、開発会社側の担当者が頻繁に変わると、コミュニケーションの継続性が失われます。プロジェクト開始時に、誰が窓口担当者なのか、途中で担当者が変わる可能性はあるのか、引継ぎはどのように行われるのか、確認しておきましょう。
初心者がつまずくのは、専門家である開発会社に任せておけば大丈夫だろうと考え、積極的に関与しないことです。経理システムは、依頼者が最も業務を理解しているはずです。開発会社は技術のプロですが、業務のプロは依頼者自身です。両者が対等な立場で協力してこそ、使えるシステムが完成するのです。
こんなケースは専門家への相談がおすすめ
経理システム開発は、自社だけで進めるには専門知識が必要な領域です。以下のようなケースでは、早めに専門家に相談することで、時間とコストの無駄を防ぎ、成功確率を高めることができます。
自社の業務要件を整理できず依頼先選定に迷っている場合
経理システム開発を検討する際、最初の難関は、自社の業務要件を整理することです。現状の業務フローを可視化し、どの部分をシステム化すべきか、どのような機能が必要か、優先順位をどうつけるか、こうした判断は容易ではありません。
特に、長年にわたって属人的に業務を行ってきた企業では、業務の全体像を把握している人がいないケースもあります。担当者ごとに異なるやり方で処理しており、標準的な業務フローが存在しない状態では、システム化の要件を定義することは困難です。
また、現状の業務をそのままシステム化すべきか、それとも業務フロー自体を見直すべきか、判断に迷うケースも多いです。非効率な業務をそのままシステム化しても、効果は限定的です。システム化を機に業務を抜本的に見直すほうが、長期的には効果的なのです。
こうした状況では、業務コンサルタントや経理の専門家に相談することが有効です。第三者の視点から業務を分析し、改善点を指摘してもらうことで、本当に必要な機能が見えてきます。また、業界のベストプラクティスを踏まえた提案を受けることで、自社だけでは気づかなかった改善の余地が発見できます。
要件定義がしっかりできていれば、開発会社への依頼もスムーズになります。曖昧な要望を伝えて、開発会社任せにするのではなく、明確な要件を提示することで、適切な見積もりと提案を引き出せるのです。
業務要件の整理に自信がない場合、まずは専門家に相談し、要件定義の支援を受けることをおすすめします。この段階での投資は、後の開発費用の無駄を防ぐ効果があり、結果的にコスト削減につながります。
開発とバックオフィス改善を同時に進めたい経営者
経理システムの開発を検討する経営者の中には、単なるシステム化だけでなく、バックオフィス業務全体の効率化や組織体制の見直しを同時に進めたいと考える方も多いです。しかし、システム開発と業務改善を並行して進めるのは、高度なプロジェクト管理が必要です。
例えば、経理システムの導入と同時に、経理部門と総務部門の統合を検討している、あるいは、経理業務の一部をアウトソーシングに切り替えることを検討しているといったケースです。こうした複合的な改革は、それぞれが相互に影響し合うため、全体を俯瞰して設計する必要があります。
また、システム導入を機に、経理規程や業務マニュアルの整備、内部統制の強化、従業員の教育体制の構築なども同時に進めたい場合があります。こうした包括的な改革は、経営者一人で推進するのは困難であり、専門家のサポートが不可欠です。
さらに、複数のシステムを連携させたい場合も、専門家の助言が有効です。経理システムだけでなく、販売管理、在庫管理、人事給与、顧客管理など、複数のシステムを統合的に導入し、データを一元管理したいというニーズは増えています。こうした大規模なプロジェクトでは、全体のアーキテクチャ設計や、システム間の連携方法の設計に専門知識が必要です。
JNEXTグループでは、経理システム開発の依頼先選定から、業務要件の整理、開発会社との交渉支援、プロジェクト管理、導入後のサポートまで、包括的な支援を提供しています。単なるシステム開発にとどまらず、バックオフィス業務全体の最適化を視野に入れた提案が可能です。
経理システム開発をどこに頼むべきか悩んでいる経営者の方、自社の業務要件を整理できずに困っている方は、ぜひお気軽にご相談ください。貴社の状況を丁寧にヒアリングし、最適な開発パートナーの選定から、プロジェクト全体の成功までサポートいたします。初回相談は無料ですので、まずは現状の課題をお聞かせください。

